断られて、バスも迷って、結局コロコロで運んだ日

冬物の衣替えを
義母の施設に届けたい。



大きなカバンに
パンパンに詰めた。



持ち上げてみる。

重い。



これは
歩いては無理だ。

目次

冬物は重い

義母は
施設で暮らしている。


歩いて20分ほどのところだ。

夏物の衣替えは
自分で運んだ。


軽いから
何とかなった。


ーーー


でも
冬物は違う。



セーター。
厚手のズボン。
上着。


カバンは
パンパンになった。



持ち上げると
肩に食い込む。



20分は
歩けない。

ハイヤーに電話してみた

この町にはハイヤー会社がある。


高齢者向けに
買い物支援などの制度もある。


だから電話で聞いてみた。


荷物を運んでもらえないかと。



ーーー


断られた。



そりゃあそーだ。


そんな都合のいいサービス
聞いたことない。


ーーー


それなら自分も一緒に乗ろうと
もう一度かけてみた。



午後でもいいと伝えたけれど
それも難しいという。



ーーー


ちゃんと
順番も待つつもりだったのに。



???

もしかして。

私が荷物を届けるのを
送らせたい理由でも
あるのだろうか?


そんなことまで
考えてしまった。



ーーー


雨風の強い日だ。


きっと
忙しかっただけなのだろう


バスに乗ろうか

月末に
子供が来る。


その時に車で運んでもらおう。
絶対そうしよう!

ーーー


でもー

それまでに
気温が下がる。


早く届けたい。


ーーー


バスに乗ろうか。

10分ほど荷物を持って
バス停まで行けばー


いや。


あのカバンを持って
バスに乗るのか。


10分荷物を持って歩くのと
乗り降りのことを考えると
気が重い。


ーーー


どうしよう。



夫のコロコロがあった

ふと思い出した。

夫の作業用のコロコロが
あったはずだ。


荷物を載せて
引いていくやつ。


ーーー


物置から
引っ張り出してみる


ちゃんとあった。


カバンを載せてみた。


載る。



ーーー


これなら
運べる。

そんな人、見たことない

でもー

待って。


大きなカバンを
コロコロに乗せて引いて
歩いている人を


この町で
見たことがあるだろうか。



ーーー


ない。



ーーー


恥ずかしい。


誰かに会ったら
なんと思われるだろう。


「あら、どうしたの」


そう聞かれたら
なんて答えよう。


カバンを見る。


コロコロを見る。


外はもう寒い

気温は
これからもっと下がる。


ーーー


大丈夫。


今日なら
行ける気力がある。



ーーー



よし。


行こう。






快適だった

カバンを載せて
コロコロを引いて
歩き出した。



ーーー


軽い。


肩に食い込まない。


手で-だけだ。


ーーー


すれ違う人は
そんなにいなかった。



恥ずかしいと思ったのは
何だったのだろう。



ーーー


20分。


快適に
施設まで届けられた。

勢いで全部片付いた

施設を出たら
気が軽くなっていた。


ーーー


近くに
毎月通っている病院がある。



いつ行こうか
迷っていたところだった。


ついでだ。


寄っていこう。


ーーー

薬ももらえた。


ーーー



その勢いで
家に帰ってから



お寺さんに
電話をした。


ずっと
気になっていたことだった。


ーーー


1日で
ごっそり片付いた。



ーーー




コロコロを引いて
歩くのが恥ずかしいと


朝は
あんなに悩んでいたのに

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