蒸し器の蓋を開けた瞬間ー
「できてる」
思わず声が出た。
5回目の挑戦だった
べちゃべちゃだったり
少し硬かったりー
今まで一度も
納得のいくものが
作れていなかった。
北海道のお赤飯には甘納豆が入っている

北海道のお赤飯には
甘納豆が入っている。
道外の人に話すと
たいてい驚かれる。
「甘いの?」と。
でもー
こちらでは
それが当たり前だ。
小豆ではなく
甘納豆。
ほんのり甘くて
桜色をしている。
私にとってお赤飯といえば
この色と
この甘さだった。
5回目の挑戦ー今日こそうまくいくか

埼玉から
義理の妹夫婦が来ていた。
お赤飯を作ろうと思ったのはー
義理の母のことを
思い出したからだ。
娘がかえってくるたびに
ご馳走を作ってもてなしていた。
その中のひとつが
お赤飯
いつもそうしていたなー
「私にできるかな」
そう思った。
🍚🍚🍚🍚🍚
今まで4回程作った。
でもー
一度もうまくいかなかった。
べちゃべちゃになったり
硬かったり。
原因はたぶん
水加減?
それとー
もち米と
普通のお米の分量。
毎回どこかが
違っていたのだと思う。
「今度こそ」
そう思いながら
米を研いだ。
▶義理の妹夫婦が帰った朝の記事はこちらー

蒸し器で作ってみた

今回は
やり方を変えてみた。
youtubeで
作り方を調べてみた。
見ているとー
蒸し器を使っている人が多い。
私はいつも
炊飯器で作っていた。
でもー
そういえば。
私の母も
義理の母も
蒸し器を使っていた。
あの湯気の匂いを
思い出す。
「これかもしれない」
義理の母が使っていた
蒸し器がある
義理の母の蒸し器を使うのは
初めてだった。
もち米を浸けて
甘納豆を用意してー
見よう見まねで
蒸し器に入れた。
「こんなにうまく作れたの初めて!」

「お赤飯が炊き上がったら
夕飯ね」
義理の妹夫婦に
伝えてあった。
蒸しあがる時間が近づくと
二人とも
そわそわしていた。
ふたを開ける。
湯気が立ち上る。
そこに甘納豆を入れて
少し時間をおいてー
もう一度
ふたを開けた。
「見た目はおいしそう!」
でもー
食感はどうだろう。
「味見しよう!」
「味見しょう!」
ふたりでワクワクしながら
まず義理の妹の手に
ひとつまみ乗せた。
次に自分で。
「おいしい!」
ふたり同時に
声が出た。
5回目で
やっとだった。
迷わず持って行ったー喜んでくれる人がいる

「おいしい!」
そう言った次の瞬間ー
「Mさんに持っていける!」
私は叫んでいた。
Mさんはこの町に来て
初めて知り合いになった人だ。
スーパーに勤めている。
ちょうど買い物に行った時
材料を見て
こう言ってくれた。
「お赤飯食べたいな~」
その言葉を覚えていた。
🍱🍱🍱🍱🍱
すぐに包んで
走って届けに行った。
子供夫婦も
義理の妹夫婦も。
みんなが
「おいしい」と言ってくれた。
1キロのお米で
蒸し器いっぱいに作ったのにー
あっという間に
なくなっていた。
母から受けついだ味

私の母も
義理の母も
何かあるたびに
お赤飯を作ってくれた。
お祝いの日。
人が集まる日。
そしてー
帰る時には
必ず持たせてくれた。
「持って行きなさい」
あの言葉と
その時のうれしさを
今も覚えている。
👘👘👘👘👘
小さなお皿に取り分けて
お仏壇にも供えた。
「やっとうまくできたよ」
そう言って
手を合わせた。
🌿🌿🌿🌿🌿
蒸し器の湯気。
桜色のご飯。
甘納豆の甘さ。
同じものを
私も作れるようになった。
5回もかかったけれど。
🗾🗾🗾🗾🗾
来年のお盆過ぎー
また義理の妹夫婦が来る。
その時も作ろうと思っている。
蒸し器の蓋を開ける瞬間ー
「できてる」
また
そう言えるように✨
