ももが顔にくっついて寝るようになったーーストーブがつくまでの代わりらしい

朝ーー

息が苦しくて目が覚めた。

顔の上に
ももがいる。


ぴったりと
くっついて寝ている。


「苦しい」

そう言っても
どかない。

目次

お盆を過ぎた頃から
顔にくっついてくる

北海道の秋は早い。

今年は
お盆を過ぎたあたりから
空気が変わってきた。

朝晩の冷え込みが
はっきりしきた。


その頃からー

ももが顔に
くっついて寝るようになった。


去年もそうだった

寒くなると
必ずこうなる。

布団をかぶって防御している

こうなると
熟睡ができない。


顔をずらす

するとももも
その分ずれてくる。


またずらす。

またついてくる。


結局ー

布団を頭までかぶって
防御しながら寝ている。


それでもどこからか
入り込んでくる。


ももは
あきらめない。

もともとは庭を
我が物顔で歩いていた猫

もともとは
外の猫だった。

6年ほど前ー


まだ札幌に住んでいて
週末だけ
介護のために
こちらに来ていた頃。


夫がきれいに整えた庭をー

我が物顔で
歩いている猫がいた。


小道をさっそうと。


ベンチで
気持ちよさそうに
日向ぼっこしていることもあった。


「おいおい」

「ここはあなたの家じゃないですよ」

近づいてみるとー

シャーッと言って
逃げて行った。

台風の夜、夫が家に入れた

週末に来るたびに
その猫はいた。


どうやらー

裏のアパートの人が
車で帰ってくると
すぐそちらへ寄っていく。


誰かが
餌をあげていたのだろう。


冬は見かけなかったから
入れてもらっていたのかもしれない。


ーーーーー


3年前ー


私たちが
2拠点生活が始まった頃


裏のアパートの住人が
いなくなっていた。


それからだ。


猫はいつも
畑や庭にいてー


私たちが外に出ると
すぐについてくるようになった。


窓を開けると


「にゃ~にゃ~」

いつもここにいるよ、と
鳴いていた。


ーーー



ある秋の夜。


台風で
風が強かった。


ベランダのところで
ずっと泣いている。


見かねた夫がー


家に入れた。


それが
始まりだった。

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夫が作ってくれたキャットウォークで
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「痛いよー」言っていたのは夫だった

ももは
夫がどこへ行くにも
くっついて歩いていた。


近すぎて
足にぶつかることも
しょっちゅうだった。

ソファーにいる時は
夫の上でくつろぐ


「重いからよけて」

そう言われていた。


寝ていると
顔をなめてくる。


「痛いよー」

夫はそう言って
嘆いていた。



ーーー


首輪を買う時も


私が迷っていると

「ももにはこれ!」

花柄のものや
赤いリボンのついた
可愛いらしいものを
選んでいた。



ーーー


あの頃ももの話は
いつも夫から聞いていた。


私は
聞く側だった。

ストーブがつくまでの代わりらしい

ももは
暖かいところが好きだ。


ストーブの季節になると
その前から離れなくなる。


この地域はー


水道管が凍らないように
冬は1日中
ストーブをつけっぱなしにする。


だから冬の間は
ももはずっと
ストーブの前にいる。



ーーー

その時期が来るまではー

私が
その代わりらしい。


顔にくっいて
丸くなっている。


どかしても
どかしても
戻ってくる。(ねこのきもち



ーーー



「痛いよー」


あの人が言っていたのは
こういうことだったのか。


今は
私が言う番になった。


でもー


言う相手がいない。


だから
布団をかぶって


黙って
寝ている🌌

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